鹿除け平張ネットの架設の仕方はPDFファイルで
ここ にあります。ご参照ください。
鹿除け平張ネット 2
その結果保全されたヨツバヒヨドリ群落です。ヨツバヒヨドリはネットの外でも食われずに
残っているものもあります。
しかし、他の3か所では完全に食われて効果は無くなりました。それぞれ単独で架設した
ものでしたが、それでも一年目にはそこそこ効果が見られたものもありました。しかし、
2年目には不快ではあるが危険は無いと学習したものと思われます。まして3年目には全く
気にしなくなり、完璧に食われてしまった場所もありました。鹿は猿ほどではないにしても、
ちゃんと
学習するもののようです。多分母親が小鹿に『大丈夫だから食べておいで』と言って食わせた
のではないかと思っています。高さ60cmのネットは小鹿には気にならない高さですが、母親や
角のある♂鹿には指の間に挟まったり、角に絡んだりで嫌な存在なのでしょう。
鹿などの蹄が二つに分かれているいわゆる偶蹄類は、指の間にものが挟まるのを極度に嫌がる
習性があるとは、京都で古くから魚網を商う古老に教えてもらいました。
去年効果があったから今年も効果が期待できるとは限りません。鹿も学習するのなら
私達人間も勉強して新しい手を考えなければなりません。
鹿除け平張ネット 3
画面の中央下辺に金銀のリボンが見えるでしょう。ネットの外に大きな株が芽を出したので
とりあえずリボンで囲ってみました。結果的には食われずに大きなヨツバヒヨドリの株に
育って花を咲かせました。
とりあえず変わったことがあると鹿は警戒するようです。そのうちに無害なものは気にしなくなり、
効果が無くなるようなのです。
超音波を使うのと、農林業で既に使われている忌避物質も面白いと思われますが、せっかくの
アサギマダラまで来なくなる可能性もあります。
中には野犬を放してみたらという提案もありますが、これは非常に効果があります。
10年ぐらい
前までびわ湖バレイには7匹の野犬がおりました。おとなしい野犬で人に害を与えたことは一度も
無かったのですが、行政の手で全部駆除されてしまいました。びわ湖バレイに鹿が増えたのは
その頃からです。
山川草木悉皆成仏・森からも声をかけられる
私はその時福井県の県境の尾根から滋賀県側へと、カシノナガキクイムシによるなら枯れ状態を見て
歩いているうちに、険しい谷に迷い込み、遭難寸前でようやく林道跡を見つけて平地に辿り着き、
やれやれと思ったところでした。
すると何処からともなく『その子を頼みましたよ』という声が聞こえてきました。見まわたすと
風もないのに横の樹の葉がさやさやと揺れておりました。足元を見ると『その子』がいました。
カモシカの死体です。その姿から、谷川から這い上がってきて命が尽きたこと、私がその日、
ここを通ることを知っていて、その樹がささやいてくれたことが分かりました。
調べてみてすぐに分かったことは、@死後間もないこと(数百のダニが盛んに逃げ出している
最中でした。つまり、まだ体温が残っていたのです) A13歳前後の♀であること。(角のリング
で大体の年齢が分かります) B最近まで元気で生活していて子供があり、急病で亡くなったこと。
(乳首の周りの毛は擦り切れておりましたし、ブルブルッと一振るいするだけでふわっと元に
戻る体毛は発水性を失い、濡れたままで半分以下に小さく見えました。多分体調が
悪く、誤って崖から落ちたのが直接原因になったのだと思いますが、怪我はありませんでした)
さて、どうしようと思案しましたが、これだけのダニでは抱いて帰るわけにはまいりません。
本当は連れて帰って、許可をもらって標本にしたかったのですが、場所が場所だけに滋賀県の
教育委員会(文化財保護課)に引き継いで処理をお願いすることにしました。私は文化財保護課には
大変お世話になったことがあり、行政協力(恩返し)の気持ちもあったのです。
『アサギマダラの森』計画
この場所は『アサギマダラの森』と命名されました。ロープウェイ山頂駅のすぐ近くの森です。
アサギマダラの楽園を復活させようと、その全域を頑丈な金網等のフェンスで囲い、鹿を完全に
シャットアウトしてヨツバヒヨドリの群落を復活させようとしたのです。
しかし、実現はしませんでした。膨大な予算と、その営業上の効果が釣り合うとは思われなかった
のではないかと考えています。
この森には大きなズミの樹があり、その他の樹木はほとんどがオオイタヤメイゲツで人ごみからも
離れて落ち着いた雰囲気です。カップルや家族ずれが一日緑の風に吹かれて過ごすために訪れ、
ハンモックに寝転んで本を読む人、昼寝をする人など、くつろいだ時間が過ごせる場所です。
昨年の夏、カタツムリの専門家がここを通りがかり、声をかけて一緒に昼食をとることになり
ました。よく山地を歩きまわっているということなので、ぜひアサギマダラにも関心を持って見て
いただきたいとお願いしておりましたところ、その方が笹の斜面を指差して『アサギマダラが
沢山止まっている』と教えてくれたのです。
なるほど笹の急な斜面の中のヨツバヒヨドリ一株に数頭止まっているのが見えました。この方に
調査協力者になってもらうためには、ヨツバヒヨドリを傷つけずに全頭捕獲したいところです。
私は風下に廻り、『こんにちわ』とか『ちょっと頼むよ』などと声をかけながら近づくのですが、
なにしろ足元が悪く、その上笹の背が高いので、かき分けて進むことになり、とても静かにとは
言い難い状態でした。しかし、不思議なことに一頭も飛び立たず網が届くところに辿り着きました。
『ちょっとごめんね』と声をかけて、一頭一頭丁寧に7回網を振って全頭捕獲することが出来ました。
もちろんヨツバヒヨドリは全然傷つけておりません。至福のひと時、会心のひと時となりました。
から検索すると、アサギマダラや鹿関連の
ページが沢山あります。
ヨツバヒヨドリなどの群落を鹿から護り、アサギマダラを呼ぶためにお役に立てたらと思います。