トップページ

・・・・・ 朝日小屋3泊4日・花の山旅  (2007年8月)

朝日小屋3泊4日・花の山旅(2007年8月)

朝日小屋は北アルプス最北端の雄峰、朝日岳(2418.3m)の西の朝日平にあります。
この辺りは白馬連山高山植物帯(国指定特別天然記念物)に指定されており、高山植物の天国です。この小屋に泊まるのはこれで3回目、延べでは6泊となります。今回は富山県朝日町から入り、小川温泉に車を置いてタクシーで北又小屋へ、朝食を済ませて歩き始めたのは6時でした。
初日の行程は標高600mの北又ダムから歩き始めて約2000mの朝日小屋まで約8時間の急登です。
昼過ぎに朝日小屋に着いたので、荷物を置いて朝日岳の辺りの高山植物を尋ね歩きました。

2007.8.8 白馬岳・旭岳・清水岳  朝日岳からの眺望

朝日岳は白馬岳の約10km北に位置し、周囲のどこの基地からも遠くて不便なので訪れる人は少ないのです。

2007.8.7 朝日岳山頂付近の案内板

二日目は日本海の親不知まで続く栂海新道の途中の黒岩平を往復し(10時間コース)、三日目は白馬岳へ続く尾根の中間の雪倉岳を往復(8時間コース)しました。いずれも高山植物が今盛りで、中でもアヤメ平のヒオウギアヤメは見事でした。

2007.8.6 イブリ尾根のミズナラ巨木 

北又ダム(600m)からの急な登りにはミズナラやブナの巨木が多く、巨樹好きの私の疲れを癒してくれます。

2007.8.6  イブリ尾根のブナの並木

イブリ山(1791m)までの1200mの登りはなかなかきついので、このルートからの入山者は年間300〜500人と少ないそうです。イブリ山から朝日小屋までは尾根が広く、お花畑が連続していて天国を想像させる景観でした。

2007.8.6 サンカヨウの青い実 イブリ尾根

サンカヨウが「一粒いかが・・・」と青い実を付けておりました。「もう少し青くなってから・・・」と遠慮しましたが、後で食べておけばよかったと思いました。

2007.8.6 オオシラビソの毬果 イブリ尾根

オオシラビソには毬果が沢山付いているのにハイマツにはほとんど見られませんでした。ホシガラスの声が聞かれないのでどうしたのかなと思っておりました。

2007.8.6 ハクサンオミナエシ イブリ尾根

白山に遠慮したわけでもないと思いますが、この尾根には多くありません。ここまでにコマドリ、コルリ、ルリビタキ、カヤクグリ、ウソなどの声を聞きました。

2007.8.6 ミヤマダイモンジソウ イブリ尾根

清楚な花ですね。

2007.8.6  チングルマの大群落  夕日ケ原 

雪が消えると一番に花を咲かせるようです。花が散ると花柱が伸びてその先に渦を巻いた風車状の実が付き、霧に濡れると可愛らしい姿になります。

2007.8.6 ミドリシジミの一種 夕日ケ原

多分オオミドリシジミの雄です。他にも2.3頭見ました。

2007.8.6 イブリ尾根の池塘  

不思議な景観です。じっと覗いていたら天界がチラッと見えてくるような誘惑を感じました。

2007.8.6 コバイケイソウ 夕日ケ原 

「いやあ! よくきたわねえ!」と、両手を広げていつも愛想よく迎えてくれます。コバイケイソウは頭部にあたる部分が雌花で両手に当たる部分が雄花のようです。

2007.8.6 ニッコウキスゲ 夕日ケ原 

ニッコウキスゲは夕日に照らされると一層黄色くなって、日が沈んでも夕闇の中で静かにゆれています。

2007.8.6 シナノキンバイ 朝日平  

黄色い花は何種類もありますが、中でも色が濃いのは、このシナノキンバイです。おまけに巨大なので目立つ存在です。

2007.8.6 シナノキンバイとカミキリムシ 朝日岳 

美しい花にはきれいな昆虫が寄ってきます。連れて帰りたいのですがここは国立公園の特別地域、とれるのは写真だけです。

2007.8.6 ハクサンコザクラの大群落  朝日岳

雪が消えて間もない草原です。この山域でもこれだけの群落はそう多くありません。

2007.8.6 イブキジャコウソウ 朝日岳  

伊吹山に多いところから名づけられたそうです。葉を指先で揉むと強い香りがしますが、ここではそれも許されません。

2007.8.7 タカネシオガマ 朝日岳  

風の強い稜線にはタカネシオガマ、草原にはヨツバシオガマ、この他に五輪尾根の方にはオニシオガマがあるそうです。

2007.8.7 ミヤマアズマギク 朝日岳  

この花はそう大きな群落にはなりません。薄紫の簡素な一重咲きの風情が好きです。

2007.8.7 ハクサンコザクラの顔  朝日岳

アップにするとシンプルな作りですね。あの真ん中の黄色い部分が昆虫を誘引するのでしょうか。

2007.8.7 コバイケイソウとお花畑 朝日平  

遠くに白馬本峰と旭岳が見えます。コバイケイソウの背後の草原には沢山の高山植物が花を咲かせていますが、よほど拡大しないと見えません。

2007.8.7 タカネナデシコ 朝日岳  

カワラナデシコの高山型だそうです。岩陰に寄り添うように風を避けて群落を作っていますが、長く細い花びらは風に揉まれてよれよれです。

2007.8.7 タテヤマウツボグサ  アヤメ平  

海蛇のうつぼを連想してしまいますが、両方とも弓矢を入れる靫に似ているので名づけられたらしいのです。濃紺の色がとても新鮮です。

2007.8.7 クルマユリ アヤメ平  

この赤は祭りの色です。アヤメ平はまるで夏祭りのように賑わって、沢山の花が踊り狂っているようでした。

2007.8.7 ヒオウギアヤメ アヤメ平  

北アルプスでアヤメと言えばヒオウギアヤメのこと。この色の深さには魅入られてしまいます。今回の3泊4日の山の旅の目的はこのヒオウギアヤメをアヤメ平で見ることにありました。一昨年、朝日小屋に泊まった時、兵馬の平の方のヒオウギアヤメを褒めたら「もつと凄いのがあるよ!。3泊で来たら私が案内するから。」と宿の主人が言ったのがきっかけでした。

2007.8.7 アヤメ平のお花畑  

アヤメ平で凄いのはヒオウギアヤメばかりではありません。何十種類もの高山植物が一度に開花しているのです。中に分け入って調べることが出来ないのでいちいち記載出来ませんが、写真で見るだけでも大変な種類数と、大変な群落です。宿の主人が「案内」したくなるのがわかります。

2007.8.7 ゴゼンタチバナ アヤメ平  

登山道沿いにあちこちで見られる花ですが、名前の由来を聞いてみたくなる可愛い花ですね。

2007.8.7 ミヤマリンドウ アヤメ平  

ミヤマリンドウはどの花もがこんなに深い青い色をしている訳ではありません。それにしても青いですね。勲章のデザインにもぴったりの端正な姿です。

2007.8.7 コバイケイソウで吸蜜するアサギマダラ 黒岩平  

アサギマダラを数頭見ました。標高1800mほどの黒岩平のお花畑です。お花の種類にこだわっているようには見えませんでしたが、何を指標にして花を選ぶのでしょうか。

2007.8.7 タテヤマリンドウ 黒岩平  

タテヤマリンドウの白花を見つけました。同じ株から白花と青花が出ております。

2007.8.7 ウラジロヨウラク 黒岩平  

ツツジの仲間だそうです。透明感のある赤い色には惹かれますね。

2007.8.7 コイワカガミ アヤメ平  

ピンクのフリルのついたこの姿には、ついつい沢山シャッターを切ってしまいます。

2007.8.7 オオサクラソウ アヤメ平  

サクラソウらしい姿形ですね。この山域でも多くはありません。

2007.8.7 ミヤマダイコンソウ アヤメ平  

ダイコンは大根なのでしょうか。大きな根をしているのかも知れません。

2007.8.7 ウサギギク 朝日岳  

登山者が大勢憩う三角点近くの藪陰にありました。これだけ纏まって花を咲かせる株も珍しいのです。

2007.8.7 ようやく夏の雲 朝日岳  

8月初めに台風が過ぎてから安定していた天気ですが、今日辺りから夕立がやってくるかも知れません。雲の間に見えるのは多分清水岳です。

2007.8.7 レンジャーたち 朝日平  

紅いシャツ、紅い帽子でカッコイイですね。私たち年寄りの二人連れを気遣ってくれたのか、3日間行く先々で出会いました。

2007.8.8 キヌガサソウ 白馬水平道  

この日は雪倉岳まで出かけました。往復8時間の行程です。雪が消えて間もない谷間に、咲いたばかりの新鮮なキヌガサソウを見つけました。

2007.8.8 タカネマツムシソウ ツバメ平  

秋の花です。まもなくこの高嶺にも短い秋がやってまいります。

2007.8.8 グンナイフウロ ツバメ平  

毛深い花ですね。ミヤマクワガタだと思っていましたが、よく調べたらグンナイフウロらしいです。

2007.8.8 タカネマツムシソウで吸蜜するアサギマダラ 雪倉岳  

雪倉岳の山頂付近でアサギマダラを多数見ました。約一時間の間に50頭も見たでしょうか。吸蜜するものは少なくて、多くは礫地を這うように富山県側に下ってゆきました。PAを含むとして話題になっているミヤマムラサキで吸蜜する姿を撮りたかったのですが、他の花に止まっているほうが多かったように思いました。

2007.8.8 クロトウヒレン ツバメ平  

一見地味な花ですが、拡大してみるとなかなか粋な花ですね。

2007.8.8 ムシトリスミレ  ツバメ平  

花には毛がたくさん生えていて、虫が入ったら出られそうにないように見えますが、虫を粘液で捕らえて消化するのは葉のほうだそうです。

2007.8.8 チシマギキョウ  ツバメ平  

この花にはもう少し早い季節が良かったらしく、新鮮な花を見るとついシャッターを切ってしまいました。

2007.8.8 ミヤマアケボノソウ  ツバメ平  

なんとも不思議な姿ですね。多分虫媒花だと思うのですが、白とか黄色とかブルー、赤などのほうがよく目に付くように思います。

2007.8.8 シモツケソウ  ツバメ平  

なんとまあ、あでやかな姿かたちでしょう。子供の浴衣の絞りの帯によく合いそうな色合いです。

2007.8.8 チシマギキョウ  ツバメ平  

また写してしまいました。これほど深いブルーの花も少ないのです。

2007.8.8 タカネヒカゲの交尾  赤男山  

タカネヒカゲは高山蝶です。厳しい自然の中で生活しておりますが、岩くずなどによくとまります。尾根筋は風が強いので止まるとすぐに、風下側に倒れて風をやり過ごします。

2007.8.8 カライトソウ  ツバメ平  

カライトソウはほとんど終わってしまっておりました。

2007.8.8 クモマベニヒカゲ  ツバメ平  

いかにも高山蝶らしい、いい名前ですね。

2007.8.8 ヨツバシオガマ  白馬水平道  

こんな風に群落になることは少ない花です。湿原の隅に固まっておりました。

2007.8.8 ミヤマキンバイ  白馬水平道  

これだけの群落になると華やかですね。

2007.8.8 チシマギキョウ  朝日平  

朝日小屋の庭園の群落です。朝、雪倉へ出かけるときには夜露に濡れて俯いていたのに、夕方には上を向いて笑顔を見せてくれました。